経済レポート

 知り合いから金融機関などの発行する参考になる経済レポートないですか?と問い合わせがあったので、みなさんにも私がみている無料の経済レポートを紹介しておきます。継続的にみているとレポートなどの傾向もわかるようになります。
1.農林中金: http://www.nochuri.co.jp/report/financial/index.html
2.ニッセイ基礎研究所: http://www.nli-research.co.jp/report/index.html
3.三菱UFJ東京銀行: http://www.bk.mufg.jp/rept_mkt/rsrch/index.htm
 それぞれのレポート内容は日本経済については類似する部分もありますが、日本の権威を誇る金融機関のレポートで、とても役に立っています。特に、三菱UFJのレポートには、中国やオーストラリアの月次レポートもあり、オーストラリアの月次レポート関しては、キャリートレードもやっているので、よくみています。
 ご参考まで・・・・・・

米ドル安進む!

 想定よりも米国経済が減速しているのではないかという思惑がでてきています。第一四半期のGDP速報が予想を下回りました。ここのようなことを背景に、FRBがQE2を6月で止めると宣言したものの市場金利は低下傾向にあります。
 米ドル安も進みつつあり、対円では再び80円を割れを意識する水準まで下がってきました。しばらくは、様子見になりますが、米ドル安はあと3か月から半年くらい続く可能性もありそうです。
 また、米ドル安は対人民元で大きく進みつつあるようです。中国の出方次第かもしれませんが、インフレを抑制したい中国としては、現在の人民元高を容認する可能性が高く、しばらくはこの状況が続くと考えてよさそうです。
 さて、米ドル安のみであれば容認できるかどうか難しい問題を抱えるのが日本かもしれません。長期的にみれば、保険会社などのリパトリエーション(外貨資産を換金して円に戻す。)による円高になる可能性が高いといわれている状況下で、更なる円高は外需企業へ悪影響を与える可能性が高いからです。
 今のところ、損害保険会社だけでも、1.5兆円以上の地震保険金の支払い可能性があり、また生命保険会社の保険金の支払いも3000億円以上と想定されていることなどをみても、合計で2兆円くらいの震災関連の保険金支払いが見込まれていることや、大手企業も国内工場の被災などもあり、外国にある資金を日本へ大量に還流させると考えられていることなども考慮すれば影響は大きいのかもしれません。
 しかしながら、輸出企業に輸出余力が低下していることもあり、リパトリエーションの影響が少ないという見方をするアナリストもおり、今後の状況を見守るしかないのかもしれませんね。

ソニーと三菱モルガンスタンレー

 ソニーは世界的な個人情報の漏洩事件を起こしてしまいました。もちろん、事件を起こしたハッカーがいけないのですが、セキュリティ面での不備の責任が追求されそうです。米国の報道では、2兆円以上の賠償金額になるのではという想定まででています。東電の原発事故があるので、なんだ2兆円かと思ってはいけないのですが、ソニーという企業が存亡の危機に陥る可能性も指摘されています。
 三菱UFJモルガンスタンレー証券の巨額損失に関しては、どうやら過去数年間販売していた金利の仕組債券のヘッジがまったくできていなかったことが真相のようです。長期のスワプションを組み込んだ仕組債券を富裕層や中小企業などへ大量に販売してきたもののトレーディング部門(自己売買部門)ではそのヘッジ手法もなくそのままにしていたこと、また管理部門でもこのデリバティブのスマイルカーブのロングテール部分を評価していなかった(というか評価できなかった。)というのが実情のようです。
 確か大震災で、金利が変動して大損したような報道がされていた気もしますが、ずっと前から引きずっていることで、ようやくデリバティブの内部管理システムが完成して判明したことのようです。
 このデリバティブの大半をモルガンスタンレー三菱UFJが引き取って管理することの見返りに、三菱UFJグループは、彼らに対する10%固定配当付き優先出資を普通株に転換したという話まであるようです。金融庁が三菱UFJモルガンスタンレーに対して、巨額損失に関する報告書の提出を課しましたが、その報告書で明らかになるでしょう。
 なんか日本企業に関しても、いろいろと原発事故級の事件が頻発しているのはどういうことでしょうか・・・・・

9800円を超えてくると!

 昨日のコマツの決算発表などをみていると、まだまだ日本株市場はいけるという感じになったのでしょうか?一方で、リコーのような安値をつける銘柄もあります。私個人的には、本格的な相場が回復するのは、連休明け後になるとみていたのですが、今日の前場をみている限り、先取りし始めた感じがしています。
 個別株をみても、元気のある銘柄とない銘柄に2極分化しています。先週のオンラインセミナーでもお話したとおり、企業業績次第で次の動きがみえてくるということになりそうです。今のところは、震災にもかかわらず好決算を発表する企業が多いことが上げ相場を牽引する方向性になっています。
 ゴールデンウィーク明けには、市場が震災前と同じように正常化してくることは間違いなさそうです。やはりセクター的には、新興国向けの需要が強い企業とスマートフォン関連ということは変化がなさそうです。今日にでも日経平均が9800円という重要なチャートポイントを超えてくるようであれば、連休明けからの日本株相場も期待が持てそうです。
 私は今日あるネット関連銘柄の買い増しをしました。これで、ネット関連株のポジションは、自動車部品関連のポジションに近い状況になってきています。当面はこの2つのセクターで走り続けるのがいいかもしれません。
 

QE2の終了!

 アメリカで、インフレ懸念が高まっていることや、NY市場の株高を受けて、FRBが6月末で、QE2(国債買取などによる量的緩和)の終了を発表しました。短期金利を見る限り、まだこのことは織り込まれていないようです。明日以降の金利情勢次第では、米ドル安政策の終了を意味するものとなるかもしれません。
 QE2が12月末で延長されるとみられていた1月頃に比較すると、株価は大きく上昇していることもあり、原油高の影響も懸念していることが明確になってきています。QE2による資金が資源や穀物市場などの投機資金として流入しているというような批判もあったことも影響しているかもしれません。
 アメリカの場合は、インフレターゲット的な政策をとっていることもあり、ある程度経済の回復が確認されるまでは金利を据え置く傾向にあります。日本の場合は、インフレの芽を摘む方向での金融政策がとられていることもあり、少しでもインフレとなると、日銀が利上げの方向に動くことが失われた20年を創り出している可能性もありそうです。
 NADAQ指数は10年来の高値水準にあり、これが金融緩和によってつくられているものかどうかは判断が難しいですが、スマートフォンなどの急速な普及によって、高値になっていると考えるほうが妥当ではないかと考えています。日本の電子技術がいかされているスマートフォンが世界的に普及すれば、その恩恵を受ける日本企業も投資対象として面白いかもしれません。
 これで、2008年から約3年続いた米ドル安が収束するかどうかということになりますが、昨日の為替市場をみる限りは、もう少し続くと考えたほうがよさそうです。いずれにせよ、大きなトレンドが転換する転換点に近づいたと判断して間違いないと考えています。簡単に言えば、外貨の買いにメリットがでてくるという状態になるということです。
 

原発利権温存のため・・・・・

 昨日の記事にコメントを頂きました。経緯としては、週刊ポスト誌のすっぱ抜き記事があったので、東電も揚式発電を事前に認めたというのが真実のようです。このことを週刊ダイヤモンドが東電に照会したら認めたということのようです。
 これまでは、週刊ポストは、原発事故をどちらかといえば擁護するような方向性の記事がメインでしたが、暴露記事ばかりとなりつつあります。ソフトバンクの孫社長のインタビューも載っています。みなさんも読むと、とても面白いと思います!
 本当の事実はどこにあるかは不明ですが、東電の行動をみるとそう思われても仕方ないということでしょうね。いずれにせよ、原発利権というものが今回の事故に大きく関っていることは間違いなさそうです。
 国民の負担を増やすよりも、現在の東電という会社を解体して、経営陣もすべて刷新するというほうがいいと思うようになりました。もちろん、電力は生活インフラなので、新会社に移して、労働組合との契約などを含めてすべて刷新するという手立てが必要だと思います。このようにしない限りは、経営陣や従業員のマインドが変わることがないことは、JALの件でも証明されているからです。
 このようにすれば、他の電力会社も考え方を変えるようになると思います。大地震や津波に耐えられないような原発は作らないだろうし、クリーンエネルギーへの転換も図られると考えます。テレビも広告収入の減少などで苦しんでいる中で、電力会社のCM料を失いたくないので、実態を報道しないようになっていることは残念でなりません。
 
 

揚式発電!

 この夏の電力不足を補うために、揚式発電というものが用いられる可能性が高くなりました。週刊ダイヤモンドの記事ですが、揚式発電は、電力会社にとって負担が大きいためか隠されていたようです。
 いずれにせよ、東電もこの発電を利用すれば、この夏のピーク時の電力を賄うことが可能だということを認めているので、製造業などにとっては朗報かもしれません。
 東電が福島第一原発を廃炉にするという決断が遅れた理由のひとつに、この原発設備の減価償却が済みで、これからは儲かる状況にあったことのようです。原発を廃炉にするということは経営陣にとっては、苦渋の決断であったということが背後にありそうです。
 経営陣は、株主のほうを向くのも必要なことですが、国民の安全ということを第一に考えないような経営陣は、どうしようもありません。東電のような独占インフラ企業は、上場している必要があるかという議論もでてきそうです。もちろん、非公開企業になっても、上場企業並みの開示と、経営陣の責任を問うことのできるシステムは必要と思います。
 東電にとっては、巨額のお金をかけてきた発電設備であり、ようやく収益になりかけた設備を廃棄するという選択肢はないという考え方で進んでいたので、夏の電力不足を補うために柏崎原発を再稼動したいなんて話をしたのかもしれません。
 しかしながら、今回の福島の大事故や福井の「もんじゅ」の問題のようなことも抱えており、原子力発電については、長期的な視点からは廃止という方向性が正しいと考えるのは私だけではないと思います。
 もんじゅの事故は、現在も続いており、仮に大地震が発生した場合などは取り返しのつかない大事故につながる可能性も指摘されています。もんじゅはトラブル続きで、数兆円かけてつくられた原発ですが、未だに一度もまともに発電したことがないというのもどうかと思います。
 東大やその他国が管轄する研究機関も含めた原発利権は年に1兆円から3兆円ものお金が使われるものであり、米国の軍事費用と同じようなことになっていることを日本の国民も気づくべきかもしれませんね。

米ドル安と金利低下!

 このところの金利低下と米ドル安の連動という話をしておきます。基本的なスタンスとして、私は金利と為替レートに注目しています。株の場合は、経常利益が増えれば株価は↑という単純化して考えるのと同じです。為替の場合は、金利が上昇↑すれば、為替も強くなる↑と考えています。(G7やG10諸国のような為替取引が自由化されていることが条件で、新興国などやインフレ国は除きます。)
 現在、米国の金利動向を見ると、↓のトレンドになりつつあります。為替のアナリストなども米国2年債と為替の連動性が高いという評価をしていますが、同じような考え方です。それに対して、ユーロは、次の利上げを織り込むような形で金利が上昇してきています。
 この点については、キャリートレードのオンラインセミナーでもお話させて頂いたとおりです。ある意味、いろいろな為替関連の指標をチェックするよりも、長期的な観点からは、間違いのない指標と考えられます。

さて、円高かドル安か???

 先週は、米ドル安が進みました。ユーロについては、利上げをしたこともあり、比較的堅調に推移しています。もちろん、アメリカ経済の立ち直りが遅れるという見方から利上げが遠のくのではというような観測もあります。QE2については、年末まで継続しそうです。しかしながら、米国の企業業績をみているとかなりいい決算が発表されているので、大きく米ドルが売られる相場とはならないとみています。
 81円台というのは、円高方向と考えられますが、今後は、83円に戻れば円安ともいえそうです。ドルの独歩安という観点からみればということです。日本に関しては、悪い状態はほぼ織り込んだ状況にあり、大きく株が売られるというような感じはなくなってきました。
 日本もそろそろゴールデンウィークの長期の休みになります。本当であれば、株式のポジションを縮小すべきとも思われますが、とりあえず、株価も回復基調なので、そのまましばらくホールドすることにしました。決算も比較的よさそうな感じの発表がでてきいているからです。自動車関連株も先週末に買われるようになったので、とりあえず震災関連の悪材料は織り込んだのではないかと見ています。
 為替レートが微妙な状態ですが、企業にとっても、一方的な円安は原材料高を招くことから、現状のレベルであれば、受け入れられるくらいのレベルかもしれません。さてさて、決算発表が本格化する来週から5月の上旬までが株価の先行きを占う上での山場になりそうです。
 

自動車&部品産業

 結局、今回の東日本大震災で最も影響を受けた産業は、自動車産業ということになっています。部品数が多いだけに、その一部の部品がないだけでも自動車の組み立てができなくなるからです。
 トヨタにおいては、北米や中国でもフル生産の50%くらいしか製造ができなくなっており、部品調達が滞りだした今月の下旬からは、工場を休みにするような海外拠点もでてきています。
 これはトヨタの在庫ロスをなくす方式でもあるカンバン方式の弱点かもしれません。このような状況ですから自動車部品関連株の戻りが鈍いのもよくわかります。
 私は大震災よりも今後の自動車需要の動向のほうが影響が大きいと考えています。中東問題もあり、原油価格が大きく上昇していることから、新興国などでの自動車需要が減退することの影響が最も大きいのです。大震災で、工場などが被災している部品メーカーもありますが、一時的なもので世界需要が強い限りはあまり問題にならないでしょう。
 連休明けには、自動車部品会社の決算発表が本格化することもあり、そのあたりが一つのポイントとなりそうです。